A型肝炎ワクチン
汚染された食べ物や飲み物を介して経口的に感染する病気です。
発熱や黄疸、全身倦怠感などの症状を呈し、入院治療が必要となる場合もあります。
アジア、アフリカ、中南米に広く存在し、たとえ短期間であっても途上国に滞在する人に接種が奨められるワクチンです。
ワクチンは2~4週間隔で2回接種します。6か月目に追加接種をすると少なくとも5年以上の効果が続くとされています。(計3回)
(小児では、主に1歳以上に接種をお奨めします。)
B型肝炎ワクチン
性行為(唾液や体液の濃厚接触)や医療行為の際の汚染された注射器や輸血などから感染します。
健康な成人が発症した場合には、一過性の黄疸や全身倦怠感、発熱などの症状をおこし、一部劇症化して死亡する例、慢性化する例もあります。
発展途上国で広く流行しており、中国、東南アジア、アフリカに滞在する場合は接種をお奨めします。
ワクチンは4週間隔で2回接種し、さらに、20~24週間後に1回接種します。(計3回)
(小児では、2016年10月から予防接種法の定期接種に含まれています。)
狂犬病ワクチン
発病するとけいれんや意識障害などをおこし、ほぼ100%死亡する病気です。
イヌだけでなくキツネ、アライグマ、コウモリなどの哺乳動物に引っかかれたり、咬まれたりして感染します。
オセアニアなど一部を除き、アジアやアフリカ、中南米など世界中で発生しています。
これらの国へ旅行する人や長期滞在者、動物と直接接触し感染の機会の多い場合、すぐに十分な医療機関にかかれない奥地等へ行かれる人にお奨めします。
曝露前(渡航前)には、1ヶ月間で3回の接種が必要です。
※渡航前に狂犬病ワクチンを接種していても、現地で動物に咬傷された場合には、追加接種が必要です。
破傷風トキソイド
破傷風菌は世界中の土壌に存在し、ケガをすると傷口から感染します。
菌が産生する毒素が神経に作用して死に至ることもあります。
海外では医療施設の受診をためらう方が多く、特に途上国では医療へのアクセスがよくないことで命に関わることもありますので接種が勧められます。
ワクチンは4週間隔で2回接種し、6ヶ月~1年後に1回接種します。(計3回)
※1968年(昭和43年)からは3種混合ワクチン(DPT)、2012年(平成24年)からは4種混合ワクチン(DPT-IPV)として接種されています。
小児期にDPTワクチンを接種済の成人では、1回の追加接種を行います。
黄熱ワクチン
黄熱は蚊に媒介されるウイルス性の病気です。
アフリカや南米の熱帯地域に渡航する人に必要なワクチンです。
入国時や乗り継ぎする際に黄熱予防接種証明書を要求する国がありますので、詳しくは検疫所のHPや渡航先の国の在日大使館などにご確認ください。
※検疫所や検疫衛生協会など、限られた施設でのみ接種が可能です。(当院では接種できません。)
髄膜炎菌ワクチン
髄膜炎菌は感染者の呼吸中に生じる飛沫や咳などを介して感染します。
アフリカの“髄膜炎ベルト”、中近東で流行をもたらすことがあります。
寮生活をする学生の間で集団感染が発生し、問題になることがあります。
接種回数:1回
※当院では、国内で承認された4価結合型髄膜炎菌ワクチン(ACWY/MCV4 メンクアッドフィ)のみ取扱っています。
B群髄膜炎菌ワクチンは取扱っておりません。